イントロダクション

日本の南西に位置する沖縄県。

日本本州にも匹敵する広大な海域には有人無人あわせて160の島々が浮かんでいます。
ひとくちに沖縄といっても言語は5つ、文化は人の暮らす島の数だけ存在します。

明治時代に沖縄は日本のひとつの県となりましたが、他の都道府県より約10年遅れてのことでした。それまでは琉球王国として中国・日本ふたつの国と密接に関わりあいながら国家を築いていました。

琉球王国は中国と日本の文化を取り入れながら独自の文化を作り上げ、その文化をもって他国をもてなしました。現在まで伝承されている琉球舞踊や組踊の始まりです。

武力に頼らない平和な琉球王国でしたが、第二次世界大戦では『ありったけの地獄を集めた』と語られるほどの激戦地と化します。

鉄の嵐が吹き荒れる沖縄の地で、最後の官選知事を務めた人物がいました。島田叡氏です。
疎開を促し、食糧の確保に奔走した彼の働きに、多くの県民の命が救われました。沖縄返還時には島田氏の出身地である兵庫と沖縄が友愛提携を結び、現在まで交流を深めています。

戦後、沖縄はアメリカ軍によって統治されます。県民は日本本土復帰を掲げ奮闘しながらも、生活の中に入り込んだアメリカの文化を受け入れていきました。

そんな沖縄県民の願いも叶い、沖縄が日本へ返還されてから今年で50年を迎えます。

そんな今、日本人の思う沖縄はどんな島でしょうか。国内有数のリゾート地としての沖縄、人々がおおらかな島沖縄、基地問題を抱える島沖縄、さまざまにあることでしょう。

望郷 −ひとりひとりの沖縄へ−』は、本土復帰から50年を迎えた今、沖縄の抱える現状を見つめなおし、沖縄が日本の一部であることの意味を考え直す契機作りを目指します。

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